ヘアライン アートメイクとは?
ヘアラインアートメイクとは、生え際の毛並みを描くアートメイクです。ヘアラインとは髪の生え際(額のきわ)のことで、その部分にアートメイクを施します。
やり方は他のアートメイクと同じく、頭皮の極めて浅い層に色素を注入します。これによって髪の毛のラインを描き「髪が生えている」ように見せることが可能です。
植毛など、他の施術と合わせて補助的に用いるケースもあります。その場合、アートヘアやヘアアートなどの別名で呼ばれることもあります。
ヘアライン アートメイクはこんな方におすすめ
ヘアラインのアートメイクは、以下のような方におすすめです。
- 小顔に見せたい方
- 生え際の髪の毛を多く見せたい方
- 生え際の形を整えたい方
- 他の薄毛治療に抵抗がある方
1つ目の小顔効果については、額の面積が小さくなることで得られるものです。額を含めた顔の肌色部分が小さくなると、視覚的に小顔に見えるようになります。
2つ目の生え際の髪の毛の量については、薄くなった部分に重点的に髪の毛を描きます。これによって、その部分にも多くの髪の毛が生えているように見えるわけです。
特に男性の間で「M字ハゲ」と呼ばれる、髪の生え際が薄くなる状態は、特にアートメイクの施術で解決しやすいものです。
3つ目の「生え際の形を整える」ことについては、髪の状態が薄くなくとも「ラインをより綺麗なものにする」目的で施術します。女優さんや女性アナウンサーの方々でも、この目的でヘアラインのアートメイクを施しているケースは多いものです。
4つ目の「他の薄毛治療に抵抗がある」ことについては、たとえば植毛をしたくない、内服薬を飲みたくないなどの理由が挙げられます。特に薬の服用については副作用が出るリスクもあり、健康上の理由で行いたくないという方もいるでしょう。
そのような場合も、アートメイクならリスクは極めて小さいため、信頼できる医療機関であれば、安心して施術を受けることができます。薬の服用も含め、こうした他の薄毛治療とアートメイクの比較は、こちらの段落で詳しく説明しています。
ヘアライン アートメイクのメリット・デメリット
ヘアラインのアートメイクには、メリットもあればデメリットもあります。ここでは、その両方を説明していきます。
メリット
ヘアラインのアートメイクのメリットは下記のとおりです。
- 小顔に見せられる
- 薄毛をカバーできる
- 生え際の形をきれいにできる
1つ目の小顔効果については、顔の痩身などと比較して下のようなメリットがあります。
2つ目の薄毛のカバーについては、以下のようなメリットがあります。
- すぐに効果が出る
- AGA治療薬の副作用が出る心配がない
副作用については、AGA治療薬を飲むと必ず副作用が起きるということではありません。しかし、その人の体質によっては起こります。
そうした体質でAGA治療薬が飲めない人でも、アートメイクの施術なら受けられるというケースも多いのです。
3つ目の髪の生え際の形については、薄毛が原因でなければ育毛剤やAGA治療ではカバーできません。そのため、アートメイク以外の方法でカバーするとしたら植毛になります。
しかし、植毛は後頭部などの「別の部位の髪の毛を頭皮ごと切り取って持ってくる」という施術です。当然頭皮に大きな負担を与えるため、極力避けるべきといえます。
そのため、生え際を整えることについては、アートメイクがあらゆる方法の中で特に低リスクといえるでしょう。
デメリット
ヘアラインのアートメイクのデメリットは、下記のとおりです。
- 本当に髪があるわけではない
- 短ければ半年~1年で消えてしまう
- 逆に長ければ2~3年消えない
1つ目の「本当に髪があるわけではない」という点は、特に薄毛対策として行う際にデメリットとなります。見た目の問題は解決できるものの、実際に触ってみれば、髪の毛がないことがわかってしまうわけです。
2つ目の「短ければ半年~1年で消える」というのは、メリットでもあります。失敗したときや、後から「やめたい」と思ったときも、時間が経てば元どおりになるためです。
しかし、そのデザインを気に入っていた場合は、早ければ半年~1年程度で消えてしまうというのがデメリットになります。これは他のアートメイクの施術でも同じです。
3つ目の「長ければ2~3年消えない」というのも、やはりメリットにもなるものです。気に入ったデザインであれば、それが長持ちするということです。
反面、失敗したと感じたときには長く残ってしまう恐れがあります。その場合も除去手術はできますが、頭皮に負担がかかるためおすすめはできません。
このような失敗が起きないクリニックを選ぶことが大前提ですが、万が一の失敗に備え「最初の施術は控えめにする」ことも検討するといいでしょう。
ヘアラインアートメイクをする際の注意点・リスク
ヘアラインのアートメイクをする際の注意点やリスクは、以下のとおりです。
- 思いどおりの形にならないことがある
- 施術直後は本来の色より濃い
- 施術後にMRIの施術を受けるときに申告が必要
それぞれ詳しく説明していきます。
思いどおりの形にならないことがある
1つ目の「思いどおりの形にならない」という点は、美容院と同じだと思ってください。美容院は「施術される本人がずっと鏡を見ている」わけですから、一般的に考えればこちらの方が成功しやすいはずです。
実際に成功して思いどおりになることが多いのですが、それでもたまに「思っていたのと違う形になってしまった」ということはあるでしょう。自分が経過をずっと確認できる美容院でもそうなるわけです。
途中経過を確認できないヘアラインのアートメイクでは「さらに違うイメージになってしまう」ということもあり得るわけですね。
そうならないために、まずクリニックを厳選する必要があります。そして、厳選した後のカウンセリングの段階で、綿密にイメージのすり合わせをしましょう。
たとえば、カウンセリングであなたの額の写真を撮影し、その写真を元に「ここに生やしていく」「ここには生やさない」などのイメージを合わせていきます。鏡の実際の顔と交互に見ることで、完成のイメージをつかみやすくなるでしょう。
ヘアラインを描く位置については、このすり合わせによってほぼ問題なくなります。あとに残る課題は濃さです。
「ヘアラインのアートメイクで失敗した」という方の体験談を見ると、大部分が「濃さ」に言及しています。「思っていたより濃かった」というものです。濃さの問題については、次の段落で説明します。
施術直後は本来の色より濃い
ヘアラインのアートメイクをした直後は、目指している本来の色より濃くなります。施術後5日程度でかさぶたが剥がれ、表面が剥がれた分色が薄くなるのです。
そのため、施術直後は「少し濃い」と思うくらいがちょうどいいわけですね。逆に、直後に「ちょうどいい」と思っていた場合、かさぶたが剥がれると薄く感じるということもあります。
この前提で濃さについて語ると、かさぶたが取れた後でもまだ濃いというケースはあります。これは少なくともご本人にとっては失敗となります。
濃さについては感じ方に個人差があるため、その施術が失敗だったとは限りません。「注入する色を間違えていた」などのケースは当然アウトですが、そうでなければ「互いのイメージのずれの範囲内」となります。
このリスクを低くする方法としては、やはり「初回の施術は控えめにする」というやり方が現実的といえます。アートメイクに限らず、100%上手くいくという保証がない場合は「最初は控えめにする」というパターンを、多くの人がとるでしょう。アートメイクでも同じように考えるのが有効ということです。
施術後にMRIの施術を受けるときに申告が必要
MRIとは「磁気共鳴画像」の略です。この技術は金属に反応します。そして、アートメイクで使うインクには微量に金属が含まれていることがあります。
その場合、施術後の生活でMRI検査を受けることになった場合に、医師に必ず報告しなければなりません。アートメイクのインクに含まれる金属量は非常に少ないため、大きな問題が起こることはなく、その点は安心です。
しかし、医師が事前に知らずに検査をしてしまうと、わずかとはいえトラブルが起き、医師に不要な心配を与えてしまいます。そのため、MRI検査前の事前報告だけは、忘れずにすることが必要です。
(なお、クリニックによっては金属を含まない色素で施術できるケースもあります)
ヘアラインアートメイクと他の薄毛対策比較表
ヘアラインアートメイクと他の薄毛対策を比較すると、以下のようになります。
施術 |
即効性 |
持続性 |
簡易性 |
安さ |
安全性 |
ヘアラインアートメイク |
◎ |
○ |
◎ |
○ |
◎ |
植毛 |
◎ |
◎ |
○ |
× |
× |
AGA治療 |
△ |
○ |
△ |
○ |
○ |
育毛剤 |
△ |
△ |
◎ |
○ |
△ |
生活改善 |
× |
◎ |
× |
◎ |
◎ |
それぞれの採点の意味を一言でまとめると、下のとおりです。
ヘアラインアートメイク |
最もバランスがいい。数年で消えるため持続性は完璧ではない。 |
植毛 |
定着した髪の毛はアートメイクと違い消えない。費用が高く頭皮への負担が大きい。 |
AGA治療 |
内服薬などを用いる治療で、時間がかかり費用も高い。 |
育毛剤 |
塗るだけなので簡単かつ安いが、効果はさほど大きくない。 |
生活改善 |
薄毛の原因が遺伝でなく生活習慣の場合、本来この対策が一番重要。 |
総合的におでこの薄毛対策としては、ヘアラインアートメイクがベストです。そして、アートメイクと合わせて生活の改善も長期的に続けるようにしていただけたらと思います。